若い頃から競争に晒され、常に誰かと比べられる環境に身を置いていると、悲しいかな、常に周囲の人を「上」か「下」かと判断を下してしまうようになる人が多い気がしています。
学歴、お金を持っているか、結婚しているか、子供がいるか、そのような物差しで他人の価値を勝手に判断してしまう。
子供であってもその傾向は見られ、やはり偏差値や成績、所属しているクラスなどで、まるで頭のつくりが違うかのように人を見下したり崇めたりしている子たちを、私も目撃してきました。
私自身も、いつの間にか何が「上」で何か「下」かということを、無意識的にジャッジしてしまっていた時期もありました。
けれど、勝手に人をランクづけすることに何の意味があるのでしょうか。
優越感も劣等感も紙一重であり、自分が「上」だと感じても、それは永遠には続きません。
自分よりも「上」を見つけたときに、その優越感は強い劣等感へと変わるでしょう。
そんな無意味な競争を心の中で常に開催させるのは本当に馬鹿馬鹿しいと思います。
人間の価値というものがあるのなら、それは表面的なステータスや物質によって決まるのではなく、心の質、心根の良さによって決まってほしいと私は思います。
だから、勉強をするということにおいても、いたずらに競争を煽り、誰に勝った誰に負けた、学年で、県で、全国で何番か、偏差値はどの程度かということばかりに着目するのではなく、その子自身の成長過程、何が伸びたか、どのように成長したか、ということにまず注目することにしています。