Mind your own business!

Mind your own business!

私の好きな英語表現のひとつです。

辞書的な意味としては、

used to tell someone in a rude way that you do not want them to ask about something private

Cambridge Dictionary: https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/mind-own-business?q=mind+your+own+business

とのこと。

プライベートに干渉されたくないときに言い放つやや乱暴な表現のようです。

日本語で丁寧めに訳すと「あんたには関係ない!」といったところでしょうか…

(日常での使用は全くお勧めしません!)

私が見ていたNetflixのシリーズでも、しつこく干渉してくる相手を追い払うために使われていました。

ダイレクトに訳すと自分自身の仕事を気にしていろ、ということで、他人からのプライベートへの干渉を防ぐために”business”という言葉が出てくるのが面白い、と思いました。

アメリカの人々の人間関係

さて、なぜこの表現について書き残しておきたくなったかというと、アメリカにやってきて、他人との境界線の引き方について気づきがあったからです。

一言で表すと、アメリカ(少なくとも私の周り)に住む人々の人間関係は非常にサッパリしています。

隣の人のプライベートがどうだろうが別にどうでもいい、そもそも頭に浮かんでくることもない、といったように感じられます。

心が読めるわけではないですから実際のところは分かりませんが、私が日本にいた時と比較して、少なくともそのように感じられるのです。

隣にいる人が何歳か、恋人はいるのか、結婚しているのか、子供はいるのか、収入はどれくらいか、仕事は何か、どの大学を出たか、何を着ているか、何を食べているか、何をしているか、これから何をするのか。

別にそんなことは、他人の「ビジネス」であって、自分には関係ない、のかもしれません。

実際、これまで8ヶ月ほど過ごしてきて、上記のようなことを周りの人から聞かれたことはほぼありません(年齢ですら)。

私も周りの人にこれらのことを聞くことはないので、一緒に働いている方々や学生が具体的に何歳なのか、ということさえ知らなかったりします。

もちろん学生や先生方とお話をすることはありますが、アトランタに来てどう?とか、休暇は何するの?とか、〇〇には行ってみた?、クラスはどう?とかその程度であって、私のプライベートに深く切り込むような質問がなされることはありません。

それでも人間関係は上手く回っているといいますか、むしろサッパリして、害がなく、ニュートラルで心地が良いのです。

年齢や性別や国籍やその他のステータス全てが宙に浮いて、ただイチ個体の「私」でいられるような感覚です。

変にプライベートに踏み込んでくることはないけれど、会うと笑顔で挨拶を交わすし、エレベーターで一緒になれば少し会話をしたりもする。

体調が悪かったり、プライベートで何か深刻なことが起きた際には、多くを聞かないけれど気遣ってくれる。

このような環境に身を置くことで、「他人に干渉すること」とはどのようなことか、考察するようになりました。

なぜ他人は干渉してくるのか

日本で24年余り過ごす間、何度も他人から干渉されたことがあったし、自分自身、いつの間にか他人のプライベートに関心を持って知ろうとしていることが何度もありました。

でも、よく考えてみたら、自分に害が及ばない限り、他人のプライベートを詳しく知ることに何の意味もありません。

全く関係がないのにどんどん自分の意見を押し付けて干渉してくる人に出会った時、これまでの私はただ憤るしかありませんでした。

私が頼りなく見えるのが悪いのだろうか?私がちゃんとしていないからそんなことを言われるのか?そのような思考に陥ることもありました。

でも実際、そのように干渉してくる人は、”their own business”から目を逸らし、逃避しているだけなのかもしれません。

自分の人生、自分に問題があるからこそ、他人の”Business”を根掘り葉掘り聞いて、口を出して、相手を相対的に下げ、自分が優位に立ったような感覚を得る。

自分の生活が上手くいっていれば、そこから逸れる必要を感じないし、自分が喜びを感じることに集中するでしょう。

しかし、自分のことが上手くいっていないという感覚は苦々しく、不快である…だからある種の「気晴らし」が必要になる人もいるのかもしれません。

もしアメリカに来ていなかったら、冷静に分析することもできず、私自身、干渉し、干渉され、の繰り返しだったかもしれません。

これからもし干渉してくる人がいたとして、心の中でMind your own bunisess!と言い放てたらよいのかな、と思います。

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